■カニカマとは
かに風味蒲鉾(カニカマ)は日本で生まれ、今や世界中で食べられている食品です。サラダやサンドイッチ、寿司ネタなど、用法も様々です。このサイトでは、そのカニカマについての情報を提供しています。
かにかまは、魚肉練り製品の一種です。魚肉練り製品には、大きく分けて蒲鉾
と魚肉ソーセージ があります。かにかまは蒲鉾に属します。蒲鉾は、魚の肉を塩で練り上げて加熱して作る食品で、1000年以上も前から日本で食されてきたと言われています。
かにかまは、昭和48〜49年頃に日本で開発されました。大きく分けると、きざみタイプと捧肉タイプに分かれます。
最初に作られたかに風味蒲鉾はきざみタイプ(フレークタイプ)で、蒲鉾を細かく刻むなどして作られます。石川県のスギヨの三代目社長杉野芳人氏が開発しました。捧肉タイプは、タラバガニなどの足の肉を模して作られた製品で、繊維状の蒲鉾を束ねるなどして作られます。こちらは広島県の大崎水産の二代目社長大崎勝一氏が開発しました。繊維の形状などを工夫したかに爪タイプは兵庫県のヤマサ蒲鉾が開発しました。
かにかまが販売され始めた当初は、誰もが初めて目にする商品だったため、本物のカニと誤解されることがあったようです。そのため、「かに風味蒲鉾」というように、「風味蒲鉾」という名称が使用されています(他には松茸風味蒲鉾などが有名)。当サイトでは、「カニカマ」を一般的に定着した言葉として使用しておりますが、そのあたりの事情についてはご留意下さい。
かにかまは、インスタントラーメン、レトルトパウチカレーと並んで、戦後の食品の3大発明ともされます。韓国や中国、東南アジア各国、アメリカ、ヨーロッパ各国など世界中で食べられていますし、生産や輸出・輸入なども活発に行われる産業となっています。日本国内のおいても、サラダやお寿司のネタになるなど、それまでに無かったメニューが生み出されてきました。
■主なカニカマの発売年代
主なかにかま製品の発売年代を記しておきます。
元号 |
西暦 |
月 |
商品名 |
メーカー名 |
タイプ |
昭和48年 |
1973年 |
|
かにあし |
スギヨ |
きざみ |
昭和48年 |
1973年 |
9月 |
かに太郎 |
一正蒲鉾 |
きざみ |
昭和49年 |
1974年 |
|
フィッシュスチック |
大崎水産 |
棒状 |
昭和50年? |
1975年? |
|
カニフレーク |
大崎水産 |
きざみ |
48〜54 |
|
|
北海ふぶき |
一正蒲鉾 |
|
48〜54 |
|
|
北海道楽 |
一正蒲鉾 |
|
昭和54年 |
1979年 |
|
オホーツク |
一正蒲鉾 |
棒状 |
|
|
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しぐれ |
ヤマサ蒲鉾 |
かに爪 |
平成16年 |
2004年 |
秋 |
香り箱 |
スギヨ |
ズワイ |
■カニカマはヘルシー食品
カニカマは、加工食品の中でも低カロリー。脂質が低く、良質な魚肉タンパク質が多いのが特徴です。
最近はダイエットビスケット 系の食品が人気ですが、どうしても炭水化物の比率が高くなってしまいます。カニカマは、タンパク質が主成分。ダイエット中の栄養バランスを保つためにも、カニカマは適しています。
品名
|
カロリー
|
タンパク質
|
脂質
|
炭水化物
|
Ca
|
食塩
|
食パン (市販) |
260kcal
|
8.4g
|
3.8g
|
48.1g
|
36mg
|
1.3g
|
クロワッサン |
431kcal
|
6.6g
|
28.1g
|
38.0g
|
38mg
|
1.9g
|
ポップコーン |
459kcal
|
10.2g
|
22.8g
|
59.6g
|
7mg
|
1.4g
|
コーンフレーク |
389kcal
|
7.8g
|
1.7g
|
83.6g
|
4mg
|
2.1g
|
ポテトチップス |
555kcal
|
4.7g
|
35.0g
|
54.4g
|
17mg
|
1.0g
|
カステラ |
316kcal
|
6.8g
|
5.1g
|
60.8g
|
29mg
|
0.1g
|
どら焼き |
284kcal
|
6.0g
|
2.6g
|
59.1g
|
21mg
|
0.3g
|
かりんとう (黒) |
507kcal
|
6.1g
|
24.9g
|
64.6g
|
55mg
|
|
塩せんべい |
380kcal
|
8.0g
|
1.4g
|
83.8g
|
6mg
|
1.4g
|
アップルパイ イ |
317kcal
|
2.0g
|
19.7g
|
32.8g
|
5mg
|
0.4g
|
ショートケーキ |
340kcal
|
6.8g
|
13.2g
|
48.4g
|
35mg
|
0.1g
|
中華まんじゅう (肉) |
254kcal
|
9.1g
|
5.1g
|
42.8g
|
25mg
|
0.9g
|
コンビーフ 缶詰 |
271kcal
|
20.3g
|
18.9g
|
1.7g
|
15mg
|
2.0g
|
ベーコン |
423kcal
|
12.9g
|
39.1g
|
0.2g
|
5mg
|
2.2g
|
ウインナー |
304kcal
|
13.1g
|
24.8g
|
3.8g
|
12mg
|
2.3g
|
ヨーグルト 脱脂加糖 |
76kcal
|
3.5g
|
0.1g
|
15.5g
|
120mg
|
.0.2g
|
ソフトクリーム |
146kcal
|
3.8g
|
5.6g
|
20.1g
|
130mg
|
0.2g
|
プロセスチーズ |
339kcal
|
22.7g
|
26.0g
|
1.3g
|
630mg
|
2.8g
|
いちごジャム |
264kcal
|
0.5g
|
0.1g
|
67.6g
|
11mg
|
|
|
|
|
|
|
|
|
蒸しかまぼこ |
98kcal
|
12.0g
|
0.9g
|
9.7g
|
25mg
|
2.5g
|
焼き竹輪 |
126kcal
|
12.2g
|
2.1g
|
13.5g
|
15mg
|
2.5g
|
魚肉ソーセージ |
167kcal
|
11.5g
|
7.2g
|
12.6g
|
100mg
|
2.1g
|
|
|
|
|
|
|
|
|
品名
|
カロリー
|
タンパク質
|
脂質
|
炭水化物
|
Ca
|
食塩
|
一正蒲鉾 シーサラダピュア |
83kcal
|
11.0g
|
0.7g
|
8.4g
|
|
1.5g
|
スギヨ ロイヤルカリブ |
97kcal
|
10.5g
|
1.0g
|
11.3g
|
38mg
|
2.2g
|
*パッケージ栄養成分表示より引用
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■カニカマFAQ
Q.カニカマは何から作られているの?
A.カニカマは、板かまぼこやちくわなどの「かまぼこ」の仲間で、"かに風味かまぼこ"の略です。主原料は白身魚で、スケソウダラやイトヨリダイなどが主に使われています。魚肉が原材料に占める割合は、50%〜70%です。この他、調味料などをねり合わせ成型して製造されています。
Q.カニカマに本物のカニは入っていないの?
A.カニ肉が直接混ぜ込んである商品とそうでない商品、両方あります。ただ、原材料として使われているカニエキスや香料の主原料カニです。これらは、カニを丸ごと煮込んで濃縮するなどして製造されています。
Q.カニカマには添加物がたくさん入ってるの?
A.カニカマやかまぼこに対して、添加物がたくさん使われているというイメージを持っている人は多いようです。実際には、その他の加工食品とくらべて、特別に多いということはないのではないでしょうか。
カニカマを含むかまぼこ製品に使われる主な添加物には、着色料・調味料と、原料の魚肉すり身に使用されているリン酸塩などがあります。
着色料は表面の着色に使われているだけなので、使用量としては非常に少ないものです。調味料は、昆布の旨味成分でもあるグルタミン酸ナトリウムが代表的なものです。カニカマでは、およそ1%ほどの量が使用されているようです。
魚肉すり身には、加工の際にリン酸塩が使用されている場合が多いです(ハムやウインナーにも使われています)。これは、原料段階で使用されているため、商品の原料表示部分には書かれていません。実際の製品に含まれる量としては0.1〜0.2%前後になると思います。
蒲鉾類には、でん粉含有率の表示義務があるので、心配される方もいらっしゃるかもしれません。ですが、でん粉は添加物ではありませんし、たとえば、春雨やくずきりなどはでん粉自体が主原料です。
Q.真空パックしたカニカマは冷蔵庫に入れなくても腐らないの?
A.カニカマは、たいてい「冷蔵(1〜10℃)」で流通・販売されています。しっかりと真空してある商品であっても、同じように扱う必要があります。真空パックだから腐らない…というわけではありません。温まってしまったカニカマは、「ドリップ(にじみ出た水)」が多くなったり、臭いが強く感じられたりするなどの品質劣化が起こりやすくなります。
多くのかに風味かまぼこ製造メーカーでは、温度記録機のついたチルド輸送車を使うなどして温度管理に力を入れています。そこから先は、消費者や小売業者などの取り扱いにゆだねられています。「要冷蔵」の商品を、冷蔵庫から出したままで販売したり、食卓の上に出しっぱなしにしたりしないよう注意が必要です。
Q.カニカマや蒲鉾にはどうしてプリプリとした弾力があるの?
A.カニカマや蒲鉾も、豆腐やハンバーグなどと同じく、たん白質の結合を利用して弾力を作り出しています。蒲鉾類がそれらより強い弾力やプリプリした食感なのは、たん白質の結合の仕方に理由があります。魚肉には、塩によって溶け出す性質を持つたん白質が多く含まれています。このたん白質は、その他のたん白質と違い、互いに手をつなぐように結びついて強固な構造を作るため、自然と強い弾力を生み出すのです。
蒲鉾の食感があまりにツルツル・プリプリとしているので誤解している人も多いですが、特別なゲル化剤のようなものは使用されていません。
Q.カニカマや蒲鉾ってプリプリしてるから消化に悪いんじゃないの?
A.魚の肉をミキサーや擂潰機(らいかいき)などにかけて、細かくすりつぶす工程を経て製品化したものがカニカマや蒲鉾です。そのため、非常に消化吸収が良いのが特徴です。
例えばお刺身は、介護食などにも多く利用されていることから分かるように、非常に消化のいい食べ物です。しかし、蒲鉾はそのお刺身と同じくらい消化吸収効率が良いのです。ミキサー等である程度まで細かく砕いておくと、お刺身以上に消化吸収が良くなります。カニカマはあらかじめ細い繊維状になっていますので、他の蒲鉾類よりも消化が良いのではないかと考えられます。
Q.カニカマには結着剤が使われているの?
A.カニカマは繊維を束にしているので、添加物として結着剤などが使われていると考えている人も多いようです。しかし、繊維を束にするために、特別な結着剤などは使われていません。小麦粉のような粉や乾麺状態のスパゲティではないのですから、繊維状の蒲鉾を束ねれば、ある程度自然にくっつくものです。カニカマは「ほぐれ感」も大切ですから、結着剤を利用する意味は薄いです。
リン酸塩は、ソーセージなどで結着のために使われているので、「結着剤」と分類されているのでしょう。ソーセージなどの原料の畜肉は、魚肉で出来た蒲鉾のように強い弾力は出せず、そのままだとモロくて壊れ易いものになってしまいます(ハンバーグを棒状にすることを想像してみてください)。そこで、リン酸塩などを使用しているのではないでしょうか。
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