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参拝基礎知識

Last update 2007-09-30 21:59

マメ知識

■大仏(だいぶつ)

「大仏」にも、いちおう大きさの定義があります。立った状態の像(立像)なら一丈六尺(約4.8m)、座っている像(坐像)ならその半分の八尺(2.4m)以上です。「丈六仏」と呼ばれる大仏は、全国に多く存在しているようです。
 この一丈六尺という背丈は、釈迦の身長であるとされます。伝承によっては八尺ともされます。どちらにしろ、伝説、もしくは誤訳ではあるのでしょうが(爆)。

 当サイトでは、上記の大きさの定義を超える像を大仏・大観音として扱っています。しかし、その基準を満たしていなくとも、大仏を名乗っていれば大仏として扱うこともありますし、そもそも仏でも何でもない像(たとえば巨大牛とか^^;)も巨像のヒトツとして扱っています。

■神仏分離(しんぶつぶんり)

 仏教伝来後、日本では古来の神々と仏教が共存する神仏習合・神仏混淆の状態が続いていた。それを明確に区別分離する動きのこと。後の廃仏毀釈へとつながっていった(神仏分離令)。
ここらへん、あまり突っ込んで書いていくとアレなのですが、あえてちょっと書いておくと、靖国神社や護国神社なんかのように"明治政府が政策として新しく作った神社"なんかとも関わってくるハナシなワケです。被爆クスノキや一本足鳥居で知られる長崎の山王神社や、兵庫県の妙見山の名草神社なんかは、神仏分離のドサクサで生まれたものとも言われています(どちらも、元々あった寺をつぶすことで誕生した明治生まれの神社)。

■廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)

 明治政府により行われた政策。神仏混沌とした神社や寺の体制を改め、神社(神道)を中心とした国家統合を進めるために行われました。1868年(明治1)年頃から色々な通達が出され始め、経文・仏具を焼いたり、仏像を壊したり、廃寺しちゃったりというコトが断行されました。僧侶は還俗するか神職となるかを選ばされました。政府高官を輩出してるトコだとヒドかったそうで、鹿児島では1066あった全ての寺が…繰り返しますが、"全ての寺が"つぶされました。
  さすがに民衆の反対もあり、1871(明治4)年頃には廃仏毀釈は断念されました(とはいえ、上述の名草神社の前身である日光院を神社にする通達が出されたのは明治9年のこと)。
 二度とこんなことが起こらないよう、まったりしっかりアレしましょう。

■四方仏(しほうぶつ)

 東西南北を司る仏。それぞれ、東は現在仏である薬師如来、西は同じく現在仏の阿弥陀如来、南は過去仏の釈迦如来、北は未来仏の弥勒菩薩が治めている。

■珍寺(ちんでら)

「珍寺大道場」でおなじみとなった概念。一風変わったお寺を表現するためなどに用いられるが、対象に対する親近感と畏敬の念を同時に表現できる奥の深いコトバである。みうらじゅん氏らが仏像を「ブツ」と呼んだり、仏師を「アーティスト」と呼ぶのに似ているかもしれない。

■銅

 仏像などで使われる金属。仏像の材料としては、「青銅」がメジャー。酸化すると緑青(ろくしょう)を生じ(いわば銅のサビ)、青緑色に変色する

  • 青銅(せいどう) bronze
    銅と錫(すず)の合金。耐食性が高く、日本では10円玉の材料として使われている。錫の分量が少ないと、元の銅の色に近い赤銅色になる。錫の分量が増すと黄色味を増す
  • 黄銅(おうどう) brass
    銅と亜鉛の合金。いわゆる「真鍮(しんちゅう)」。5円玉や金管楽器の材料。亜鉛の分量が増すと、黄金色に近い黄色になる
  • 白銅(はくどう) cupronickel
    銅とニッケルの合金。50円玉・100円玉・旧500円玉の材料。銀に似た白い輝きを持つ

■セメントとコンクリートとモルタル

「コンクリート」は、近代の大仏等によく使われている原料。セメントに砂や砂利を骨材としてまぜたものが「コンクリート」、セメントに細かい砂だけをまぜたものが「モルタル」。「モルタル」は目が細かいので目地材や仕上げ材として利用される。
「セメント」は、石灰石と粘土をまぜて焼いたものに石こうを加えたもの。水と反応(水和)することで固まる(水が蒸発したら固まる、というわけではない)。

霊場

■四国八十八ヶ所霊場

所在地:香川県・愛媛県・徳島県・高知県
弘法大師が開いた霊場を、弟子がめぐったのが始まりとされる。人間の88の煩悩が、88の霊場をまわることで消えるとされる。「同行二人」と言い、弘法大師と共に歩く旅とされる。88ヶ所で納経し満願した後は、高野山奥の院(弘法大師が入定している)に報告に行く。
全国には「新四国八十八ヶ所霊場」なる霊場が点在している。また、さらにミニ版として、八十八ヶ所の砂などを集め、一箇所で霊場めぐりができるアトラクションもあり、珍寺系に限らず、多くの寺などにもけっこう設置されている。
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■四国別格二十霊場(番外二十番札所)

弘法大師が開いた霊場をめぐるもの。正しくものを見ること(正見)を妨げる「百八煩悩消滅」を主旨とする。各寺で一つずつ授与される「念珠玉」を集めると、「除災招福念珠」を作ることができる。
四国別格二十霊場巡礼―法話と札所案内

■篠栗八十八ヶ所霊場

所在地:福岡県
「小豆島新四国」「知多新四国」と共に、「日本三大新四国」とされる。JR篠栗線篠栗駅・山手駅・城戸南蔵院沿線にある霊場。1835年(天保6)年に尼僧慈忍が四国八十八ヶ所の帰路に立ち寄ったことが起源。城戸南蔵院の40m涅槃仏を筆頭に、巨像も多くあなどれない霊場。
篠栗八十八ヶ所霊場めぐり 改訂版

■西国三十三観音霊場

およそ1300年前、徳道上人によって作られる。西暦988年、熊野権現より観音霊場の再興を伝えられた花山法皇が、霊場の1番を那智山と定め復興する。
西国三十三ヶ所めぐり―全札所完全ガイド・周辺観光ガイド付き

■七福神霊場

所在地:全国各地
七福神信仰は、江戸幕府を開いた徳川家康が天海僧正の教えを受け、人心安定のために世に広めたとされる。

参拝のマナー

自分自身への戒めの意味も込めて、いちおう書いておきたいと思います。

■あくまでも紳士に

 僕のように神も仏も信じていない人間にとって(この点に関してツッコミ不可^^;)、珍寺・大観音等は、滑稽にしか思えないことが多々あります。そこに注がれた努力・精神の片鱗を見て、少なからぬ感銘を受けることも無いではありませんが、それを勘定に入れても、やはりヘンなモノはヘンだったりもします(汗)。しかし、だからといって、「何コレ、おっかしー(爆笑)」みたいな態度ではしゃぎ回るのは避けたいものです。管理している方がいれば挨拶をし、節度ある参拝を心がけましょう。そこが正式なお寺や神社でなくとも(爆)、あくまでも「参拝」という姿勢で臨むことは必要だと思います。

■対価

 入場料・拝観料等は当然支払わねばなりません。お賽銭だとか販売品等の購入は、その施設の運営母体に対する個々人の信条もあるでしょうから、必ずしも必須とはならないでしょう。でも、まぁ、そんなに危険そうでないトコロならば、多少の対価を支払うことも検討したいものです。いわゆる「いやげもの」をゲットすることも出来たりしますし(爆)。

■撮影

「撮影禁止」の場合もありますので、その点は守りましょう。ただ、歴史の闇に葬られそうなマイナーなスポットや像の常として、"資料が残っていない"って現状があります。撮影禁止の場所でも、頼めば何とかなることもあるかもしれませんので、一応聞いてみて、後世に(大げさですが^^;)出来る限り映像を残せるよう努めておきましょう。
 余談ですが、写真撮影の際には、"周りの余計なモノ"を構図に入れて撮影しておくことをオススメします。"良い写真の撮り方"のセオリーは外してしまうワケですが、のちのちの資料としては有用になります(施設の配置や大きさの記録になる)。もちろん、"良い写真"は別にちゃんと撮っておきませう♪
 仏像の写真を撮っているとなんだか興味本位でしかないように見られがちですが、「顔を撮ろう」「手を撮ろう」という具合に、細部にいたるまで目を向けるようになります。また、このサイトで扱うような巨像では、その大きさのあまり細部まで観察できないことも多々ありますが、ズーム撮影することで、"匠の技"をつぶさに知ることも可能です。そういった意味でいえば、たんに手を合わせて拝むだけよりも、仏像と濃密な関係を築くことができるともいえるのではないでしょうか。詭弁のようではありますが(てゆうか詭弁か^^;)、そこを踏まえて、せめて新しく作られた仏像に関しては「撮影禁止」が減るといいなぁと思っております。

■何事にも先達はあらまほしきものなり

  マナーの話から外れますが、スポットを訪れる前の下調べの重要さについても書いておきます。いちおうマナーとからめておくと…下調べをキチンとしておくことで、思いがけない入場料をとられてガッカリしたり、駐車場の場所が分からなくて困ったりといった事態を防ぐことが出来ます。
下調べをせずに珍寺や巨像を訪れた場合、メインの像以外に興味深いモノがあったりしても、それを見逃してしまうことが多々あります。また、訪れた先が広大なスポットだったり、時間が限られている場合、"何を見るか"の優先順位を決めにくくなります。映画や小説なんかと同じで、あらかじめ何があるか知っていると楽しみが半減しちゃうというよ~という方も多いとは思います。しかし心配しなくても、大抵のスポットは実際に訪れてみると、前評判以上の楽しさを提供してくれますよん(笑)。
下調べをキチンとしておくと、多くのスポットを効率良く回れますし、有名な観光地やグルメ関係も満喫できます。ネット上には数々の強力な先達がいますので、Googleや珍スポ・旅関連のサイトなどで夜襲復讐に励んでください。


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